グラフェン

あまりにグラフェンについてのトラックバックが多いので、キーワードを並べたリダイレクション程度の記事を用意しといたら誰かのためになるんじゃないかと思ったと思ったがめんどくさくなったので、なぁなぁにちょびっとだけ書き散らしてみる*1


en.wikipediaを引用。日本語の方はグラフェンの項目が何故かグラファイトになってた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Graphene

理想的なグラフェンは単層のグラファイトで蜂の巣格子型(honeycomb/ハニカム)の形状を持つ*2。良く話に聴く生成法は「セロハンテープ」で剥離させるというものだが、他にもいくつかの方法があるみたい。電子の運動を特徴付ける逆格子もまたhoneycombになり、特徴的なK点、K'点の周りで線形分散*3を示すことが大きな特徴*4。線形分散ということは、電子がまるで質量のない光子のように振る舞うということ*5であるため、電気的、光学的な性質に普通の二次元系と比べて大きな差異が表れる*6。理論的にも取り扱いが用意であるため、物理やってる学部生がスピンや擬スピンや並進対称性について学ぶのによい玩具になるかも。すでに応用に繋がるような主な性質は調べられているため*7、実際に微小輸送系に組み込んでデバイスとしてどのように使うかといったことが現在主に調べられている。

あとは「Kleinのパラドックス」とか。
http://en.wikipedia.org/wiki/Klein_paradox

ちなみに、google scholar*8でgrapheneについて調べると、約28000件のヒットがあった。同様にarXiv*9で調べるとヒットが多すぎると怒られた。

*1:「これはあまりに酷いだろ、ちょっとかしてみろ」なんて言ってくれる協力者が現れれば随時更新予定。

*2:グラフェンを筒状に丸めたものはカーボンナノチューブであり、これもちょっと前に一般のニュースでちらほら見かけたと思う。

*3:これをギャップレス、ゼロギャップと表現することも多い。

*4:このK,K'の自由度と擬スピンとして扱うことが多い。

*5:運動方程式Dirac方程式に従うと見て取ることも出来るため、この線形分散をDirac coneと呼ぶこともある。

*6:「丈夫」なので工学的にも面白いはずだが、詳しくは知らない。

*7:素朴な理論的な議論や、toy modelとしての役割はまだ残っているとは思うけど。一応。

*8:googleの学術版。http://scholar.google.co.jp/scholar

*9:論文のプレプリントサーバ。http://arxiv.org/