学部の量子力学と統計力学

学部の量子力学統計力学の講義についてメモ。

  • 量子力学1では解析力学を少し勉強してから正準量子化してSchroedinger pictureとHeisenberg pictureについて見た*1
  • 量子力学2ではCohen Tannoudjiの順番で公理的にまとめなおしてから、教員の趣味でBloch sphereなどを導入して何故かentanglementや量子テレポーテーションプロトコルを見た。純粋状態や混合状態について講義ではあまり言ってないけど範囲内だと思われる。そして角運動量の一般論と摂動論。Clebsch-Gordan係数やFermiのGolden ruleなどが出てきた。
  • 量子力学3は前半は散乱理論。Born近似、光学定理、Breit-Wigner、色んな極限での散乱などを見た。その後は第二量子化、Hartree-Fock、Coulomb相互作用の扱い方、経路積分などを凄い勢いでチェック。
  • 統計力学1では最初の1/3弱くらいで熱力学の復習。micro canonical/canonical/grand canonicalを計算例を交えて順番に見て行き、いつの間にか古典統計を一通り。量子統計に入り、統計性からFermi-Dirac,Bose-Einstein分布の導出。Fermi統計は低温展開、Fermi縮退、金属比熱を一通り。Bose統計はBEC。その後は具体例を数点。screening、ramdom walk、1-dim Isingなど。全体的に盛りだくさんで今見ても役に立つノートである。
  • 統計力学2は相転移、線形応答、確率過程などについて。相転移の「本質」としてorder parameterと臨界指数について見た。例は気液相転移、スピン系など。scalingの考え方とscaling relation、Universalityを紹介。線形応答は教科書に載っているような式変形を猛スピードで一通りチェック。相反定理も紹介。確率過程はランジュバン方程式やモンテカルロっぽい話の紹介。

講義を一通り受ける途中で良く思ったのは「第二量子化」って何だろうということ。気になる本を読んでるといきなりハミルトニアンが生成消滅演算子で書かれていて、導入を見れば確かにそう書ける気はするけれど、何かなじまずに何度も色んな本にあたっては適当な本が見つからずに四苦八苦した覚えがある。他にもちょっと応用的なトピックを名前だけでも紹介してもらえると嬉しかったな。
基本的な所から第二量子化と応用少しの所まで書いてある本があれば知りたい。猪木川合のような内容*2を物性系の人が書いている本があれば気に入るかもしれない。

*1:…はずである。図書館で清水・Dirac・Landauあたりを読んでいたので正直講義の内容良く知らない。

*2:これはこれでとても気に入っている。