Hasan-Kaneの輪講 ~実験の例

先に3Dの一般論。strong TIとweak TI。指数ν0が1か0かで判別。strong(1)だとどう切っても表面にトポロジカル由来の状態があるけど、weak(0)だと切り方によって出たり出なかったり*1。2D TIを積層して重ねるとweak TIになる。
2D, 3Dの実験の物質を具体的に。2DはCdTe/HgTe/CdTeで3DはBi系の色々。sバンドが上でpバンドが下に有る時(CdTeのような状況)、SOIが入るとpバンド3重縮退が2重と1つに分裂。2重縮退が上に上がる。SOIがさらに入ってHgTeのようになると、sバンドを2重縮退のpが追い抜くが、フェルミ面の上にまで上がるのはpバンド一つのみ。実際はΓ点以外の所でHgTeは金属なので、上手い接合にすることで、ギャップをあけることができる。同様のことはBi系でも生じる。2Dの場合はHgTeの厚さがコントロールパラメタだけど、3Dの時は合金を作ってコントロール。実験ではARPESを用いてMbar点とΓbar点の間に奇数個の状態を確認。表面のLDOSのフーリエ変換をARPESの結果から再現できるらしい*2が、backscatteringが無いと思って解析をすると上手く行く*3。backscatteringのある場合は簡単なimpurityがあると思ってLDOSに相当するものを計算することが出来て、ARPES強度(というかGreen関数だ)の畳み込みでLDOSが表現出来る。backscatteringが無い場合は原論文に書いてないようだけど、よく考えたら、それってbareなGreen関数の虚部とほぼ同じじゃないか?また、impurityが無い場合*4や、impurityがdynamicに効く場合にはARPESの結果からLDOSを計算するのは難しいのかもしれないと思う。

*1:ないしは、出るとしても弱めにしか出ない…とかなのかな

*2:確かにconsistentだということのチェックだな。

*3:180度方向は3Dでも無い。中途半端な方向にはscatterするはずだけど、それも比較的弱まるはず。

*4:そんな場合、そうそう無いけど