金の夢は読めなくても物悲しい

以下、なんだか当たり前の気がする愚痴めいた戯言。特に何に関するコメントなのか限定*1はしていないけど、特定の何かに関するコメントだと思えたのなら、その何かに対して少なからず不満を持っているということでしょう。
少数の人でのみ意見交換をすると、意見が収束して、偏り、極端な意見になりやすい。この特徴的な時間があるとすれば、人数が少ない方が時間が短い。閉じた環境での議論はすぐに腐って不健全になる、と言っても良い。人数が少ない場合には、想像がしやすい*2けど、閉じた環境で内部の人数が変わらないのならば、内部の意見が極端なものに偏っていく時は、その時が来るのが早いか遅いかの違いで、いずれやってくる。特に、内部にある種の権力構造があれば、意見が権力者によって代表されることによって実効的に人数が少なくなるため、腐るのは早くなる。
しかし、誰だって腐りたくは無い。だから、環境を開いて空気を入れ替える。しかし、内側にいる人数が少ない場合には、あまりに多くのものを中に取り込むとアイデンティティや権力が失われてしまう。だから人数を絞って、意味のある人や意見を取り込もうとする。多くの雑然とした意見を取り入れる事は人数の制約上出来ないので、現状では無意味なもの/そもそも理解できないものは取り込もうともしない。
ここで、内部に取り込まれ得る人間が権力に頼らなければ生きて行けない場合、上手く取り入るために内部の人に分かりやすい、内部の人の言葉や意見に近いことを喋ろうとする。この場合、内部の人としては「話の分かる奴が来た」になるかもしれないが、言い換えるならば「腐りかけのやつが来た」ことになるわけで、現状は改善しない。改善したと内部の人が思い込んで問題点から目を背けるだけ、悪化したとも言える*3。内部の人は腐る一方で、外部の人は生きられなくなる。
多少飛躍してぶっちゃけるなら、極端な功利主義は金を介した権力構造を生んで、上にあるような酷いフィードバックが生じそうで嫌ですね、というそれだけ。初めから全てが功利主義の世界ならいいけど、功利主義の基準が持ち込まれたものであった場合、悲しいかな、内部の功利主義的勝ち組も外部の功利主義的負け組も、功利主義が持ち込まれる以前の基準においては何も為していない。人、初志を為さざるは、自らに偽るなり、とでも言いたい*4
人に為と書いて偽るというならば、金に為と書いた文字は何と読むのでしょう。人の夢が儚いのなら、金の夢は?*5今までに聴いた色んな話が妙に繋がってしまって、どうにもそんなふうなことを考えてしまう。それはきっと、金夢的な偏りが生じてしまうのを内部側の論理を理解出来るような気がして、その理解と直感との間の隔たりを感じて感傷的になっているからだろう。
念のため。権力者が腐ってない人で、空気の入れ替え方を非常に分かってる人の場合には問題無し。僕は、最も優れた政治形態は、安定性を無視して被統治者に対して十分に真摯で有能な人がやるという条件付きで、独裁だと思っている。国よりももっと小さなグループや組織でもそれは変わらないと思う。

*1:強い条件が二つも入ってはいるけど。

*2:極端な場合:独りよがりな意見

*3:もしも内部摩擦がある場合にはじり貧の消耗戦。

*4:ただ、無理矢理に近い形で内部にひきずりこまれたり、内部の一員になってから強制的に腐らせられた人もいるので、強く言うのは良く無いとも思ってしまう。

*5:金夢い(せちがらい)とでも読みますかね。あ、読めても悲しい…。