方言

http://d.hatena.ne.jp/nuc/20050918

「私は標準語なので他の地方の人と会話すると訛が移る」と言う発言。
激しく自己中心的な考え方だなと思った。標準語は真っ白だから他のどんな方言の色にも容易に染まるといいたいんですからね。

自分はこういう発言をする人。自己中心的なことは間違いないのだけれど、本当に標準語が真っ白ならどんなに良いことか。いや、真っ白だと白が混ざるからだめか。
関西弁以外の方言ネイティブの人と、方言全開の状態で喋ったことは無いので関西弁(特に京都・大阪・神戸くらい)に話を限るけれど、割と標準語に近い日本語が話されている地方の人間としては、方言って格好よく見える…というか聞こえる。
たとえ話としては標準語がスーツで、方言が特徴のある着こなされた服(スーツ以外)。スーツを着ている人としてはスーツは堅苦しいというイメージがあるから、傍目に見る限り堅苦しくなさそうに見える後者の服を羨ましがって着たがる*1。それで実際に着てみると、慣れない服を無理矢理着るものだから似合わなかったり、着方を間違えたりする。字面は真似出来てもイントネーションがダメだったり、そもそも表現が間違っていたりする。
そもそもスーツを完璧に着こなせていて、スーツを堅苦しいなどとは思わずにいられるような人なら相手の服を羨ましがったりしないのかもしれないが。自分は割と標準語に近い言葉が話されている地方育ちだけれど標準語をきちんと話せるわけではないから、関西弁とか羨ましがってしまうんじゃないかな。
羨ましいという気持ちがあるのと関係があるのかどうかは知らないが、方言って言語として洗練されている感じがする。多分、口とか舌とかにかかる負担が少ないのではないかな*2。そういうの調べている人いないかな。

このギロンは方言を特徴のある話し方に変えても成り立つのではないか。高校の時に友達の喋り方がちょっとうつって困った覚えが有る。
話し方だけではなく、文章の文体についても成り立つのではないか…なんていう調子でどんどん議論の適用範囲を拡大できたら楽しい。

弁護側に回ろうと思って書きながら意見をまとめようと思ったんだけれど、ここに書いてあることに筋が通るのならば、自分の喋り方は標準語として不十分などころか個性的でもないということになる。ちょっと悲しいかな。

*1:実際は後者の方が堅苦しかったりするし、そうでは無くても着こなすのが難しいことがほとんどだと思う。スーツ以外にも着ている本人にとっては堅苦しいと思うような服は多いだろうし(着物とか)、堅苦しいとは思えない服であっても着こなすのが難しい服はある(浴衣とか)。

*2:方言の方が標準語よりも洗練されてて自然淘汰にかければ方言の方が生き残るのであれば、NHKでそこそこ長い期間の間特定の方言を使ったりすれば、標準語は簡単に駆逐されてしまうのだろうか。