τになるまで待って

τになるまで待って (講談社ノベルス)

τになるまで待って (講談社ノベルス)

Gシリーズ3作目。3〜5作目程度でエンジンがかかってくると期待して購入。惰性のような気もするが。以下ネタバレ含んだプチ感想。
何かチープ。あからさまに伏線を張っておいて、その通りに事件が起きている感じがする。前の2作品もそうだけれど、境界条件が強すぎて選択肢として当たり前のものしか残ってない気がする。あと、マジックのタネなんだけれど、あれだけだと海月の説明を待たずして山吹あたりが気がつくと思うのだけれど。
そういや、Gシリーズは海月を肘掛け椅子探偵に仕立てようとしているのかと思っていたけれど、今回だけ見るとちょっと違うような。
τは固有時間か緩和時間か…?なんて冗談を話していたけれど、どっちでも無いっぽい。「固有時間→相対性理論→人によって見え方が違う→海月の立場だとマジックのネタが良く分かった」だとしたらこじつけも良い所だけれど。
四季の影を匂わせつつ登場人物の紹介をするのは今作くらいまでにして欲しいところ。ミステリならミステリらしく、キャラ小説ならキャラ小説らしく、どのみちシリーズものという形式を取り、それが主人公が同一人物であること以上の意味を持つのならば、もっとテンポよく進んで欲しいものです。