FF13感想

簡単にまとめると。バトルが凄い楽しいし、CGも綺麗だけど、ストーリーが今イチ(もっと上手に処理出来たはずという意味で凄くもったいない)。序盤は徹底的に一本道だけど、それを過ぎると急激に面白さが増して行く。長いチュートリアルを受け入れられるバトル好きの人には是非お薦め。バトルが難しくもあるので、そういった意味でも万人に薦められるゲームではない。

以下、メモ程度に。ネタバレあり。
バトル関係

  • オプティマDQの作戦に近いけど、ロール(職業)ごとにボーナスがあるので、かなり色んな事が出来る。はじめのうちは○ボタン押しっ放しで勝ててしまうし、それくらいしか出来る事はないのだけど、各ロールのアビリティが増えてくると幅が急に広がってくる。
  • ロール:アタッカー、ブラスター、ヒーラー、ディフェンダー、ジャマー、エンハンサーの六種類。妨害系のジャマーと防御系のエンハンサーは鍵になると思うけど、ほとんど使わなかった*1
  • クリスタリウム(成長システム):FF10のスフィア盤をロールごとに分けたような感じ。
  • リスタート:全滅しても戦闘直前から再開できる。自主的にリスタートも出来るので、これが逃げるの代わりだと思う。なお、操作キャラ(リーダー)戦闘不能でゲームオーバー。相手が雑魚であったとしても、ちょっと油断した瞬間にたこ殴りにされると一瞬で全滅したりする。初見で一回も全滅せずに全クリできた人とかいるんだろうか。それくらいの難易度だと思う。FF11はやったことないけど、それ以外のFFでは一番難しいのではないかと思う。
  • 成長システムの都合上、勝てない敵がいるからと言ってレベルを上げれば勝てるようには出来ていない。その時点での限界まで成長させたとしても、後半に行くにつれて、戦法が間違っていると勝てなくなる。正解の戦法が何種類もあるだろうから、やりがいがあると思う。
  • 個人的には魔法の使い勝手及び爽快感がいまいちだったような気がする。

グラフィック

  • 綺麗だった。7以降、これまでのFFは「特に水が綺麗だった」とか、部分的に特に凄いと想う部分が目立ったのだけど、今作は全体的に綺麗だったと思う。手とか一部の背景は思い切って手を抜いていたけど、それも気にはならなかった。ちょうど良い手抜き?

ストーリーと構成

  • 最初のうちはほとんど一本道だった。フローチャートが一本道なのはこれまでのFFと変わらないし、それはほとんどのRPGに対して言える*2。ただ、移動するマップも一本道なのはびっくりした。しかも、はじめのうちは戦闘も丸ボタン押すだけだし、ストーリーも延々と自己紹介だし、あらゆる意味で一本道。これはどうにかした方が良かったと思う。
  • 11章になってから急に行動範囲が広がって、広々としたマップは凄く良かった。小さな生き物から超でかい生き物までが共存している。「最初からやれ」と言いたくなるけど、11章に出てくるマップは切り替え時のロードを感じさせないように工夫をしているようだったので、最初からあの広さだとロードが気になったのかもしれない。ちょうど真ん中くらいの広さだったら良いのにと思うけど、そうするとローグギャラクシーに対するのと同じような批判が出てくるのかも*3。手頃な広さで一本道を感じさせない工夫が欲しかった。
  • 台詞や主人公らの行動が、妙に説教臭い/くどい。社会派RPG?
  • 「何をすれば良いか分からないのに、何もしないと死ぬ*4。そして一般人からは親の敵のごとく憎まれる」という設定だから、精神的に余裕が無いと言い訳されたらどうしようもないけど、でも主人公達がおそろしく非自明な仮定や情報をごくごく自然に受け入れてしまっているのは凄い違和感を感じた。明らかに諸悪の根源っぽいやつ(バルトアンデルス)の情報も素直に聞き入れてしまうし。「主人公の悩みを描き抜く」にしては主人公らが薄っぺらく感じるし、「分かりやすいストーリー」を作るにしてはくどすぎる。感情移入をするんだったら、ルシよりも一般人の方がしやすいだろうし、一体どういう狙いがあるんでしょうか。聖府の流す情報だけを鵜呑みにした一般人の愚かさを描いているんだったら分からなくもないけど、やっぱり「社会派か!」とつっこみたくなる。
  • 世界を支えている存在(オーファン)を倒す事で世界(コクーン)を怖し、創造者たる神を呼びたいというバルトアンデルスの言い分は一見筋は通っているけど、何故壊したいと思ったのかが分からない。「腐った人間とコクーンがどうしようもないから壊す」というのもそれっぽいけど、人間を腐らせる方向に誘導しているのはバルトアンデルス本人だ。オーファンの意思でバルトアンデルスが動いていたように見える*5のだけど、そうするとバルトアンデルスの理由のオリジナルはオーファンの「閉じ込められている自分が嫌だから、皆壊れちゃえ」という理由で済んでしまうけど、それだったら、別に神を呼びたいわけじゃないよね。あと、壊されるのが願いだったんなら、壊れた後に勝利宣言でもすればよいのにな。
  • そういや、もしかしたら黙示戦争*6の時点でコクーンは壊されていたかもしれないのかな。とすると、外殻に傷がつくだけで済んだのはファングとヴァニラがそのようにしたから?
  • 「我が名はオーファン」と言われてすぐに倒してしまうのは違和感。コクーンは壊れてもいいということだよね。奇跡が起こればコクーンの崩壊は防がれて、実際に防がれたわけだけど。コクーンを守りたいと言いながら壊している所は一貫していない。もしもここで「歴史を人間の手に取り戻すのだ!*7」とでも言いながら倒しているならまだ分かる。一応、最後にライトニングがオーファンに向かって言っている台詞はそこだけ見れば問題無いんだけど、出来ればそこに行くまでに、12章の終わりから13章の頭あたりで最後の葛藤があるくらいの方が良い気がする。
  • つか、コクーンが壊れた所で下界があるわけでさ、創造者を呼ぶ為には下界ごと壊す必要があったように思う。すると、下界じゃなくてオーファンを壊すように誘導しているバルトアンデルスは片手落ちも良い所。となるとやっぱりオーファンの幼稚な反抗にコクーンと下界の人間全てが巻き込まれてしまっただけじゃないかと思う。
  • あと、ファルシの能力やクリスタルの位置づけも良く分からん。使命というのも結局分からん。どうなったらクリスタルになって、どうなったらクリスタルから戻るのか。多分、バルトアンデルスもきちんと理解は出来ていなくて、神のみぞ知るのではないかと思う。ルシになったものが、条件を満たすとクリスタルになり、そうでない場合はある時間が経つとシ骸になるのは事実だろう。想像するに、その時間を決めるのは「ルシの意志の強さ」「迷い続けられるどうか」「諦めないか」で、意思が強いほど時間は長い。強ければ強いほどシ骸にならないけど、これはオーファンを破壊するだけの能力がある傾向があると言い換えても良いので、バルトアンデルスは(自分に都合の良い)オーファンを壊すという使命に関係したことを出来た人はクリスタルになるとか勘違いしたんじゃないかね。使命なんて無かったんや!という感じ。
  • でも、とすると、ファルシと人間をそのような形で作ったのが神というが本当ならば、この世界の神というのはずいぶん意地悪だ。

その他

  • バルトアンデルスの元ネタはWikipediaによると幻獣時点に登場する架空の生き物で、さらに元ネタは「ギリシア神話に登場する変身の術の巧みな神プロテウス」だそうだ。
  • ラグナロクをストーリーの根幹に持って来ているということは、北欧神話と符号する場所を探せばもっと腑に落ちる理解が出来るのかもしれない。
  • 自由にパーティを組めるようになってからのおすすめパーティは、多分女性三人だと思う。でも、僕は「ライトニング+スノウ+ヴァニラ」でほとんどやっていた。ただ、ラスボスだけはスロウを試したかった*8ので、「ファング+ライトニング+ヴァニラ」になってしまった。
  • ミッションは50個ちょいくらいはクリアしといた。

*1:ラスボスにスロウとデプロテかけたくらい

*2:DQ2,3,9のように、船などの新たな移動手段を得て、大きな目的(オーブとか)はあるけどどこにいったら良いか分からないくらいになる例はあるけど。

*3:広過ぎるとか、移動が作業といった批判

*4:シ骸になる

*5:むしろバルトアンデルスファルシではなくて、ファルシ=オーファンの単なる使い魔ではないだろうかとさえ思える。

*6:だっけ、きちんと覚えてない

*7:どっかで聴いた事があるような…というかFF12ですね。

*8:そして、効いた!