カペー朝 フランス王朝史1
- 作者: 佐藤賢一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/17
- メディア: 新書
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政治や軍事に、嫁姑問題や宗教からの横やりが色々と絡んでくる様子が面白い。ルイやらフィリップといった名前が多いけど、どのルイが何をやった人かについては大雑把にイメージを掴む事が出来たと思う。一諸候程度の王が苦労をする初期カペー朝から、血筋・実務・宗教のそれぞれの点でフランス王の立場と国としてのフランスが確立されようとしていく様は面白い。ここまで王の権力が小さいと*2、「典型的な封建社会」というもののイメージが変わってくる。
気になる所のメモ
- 神殿騎士団に手をかけたあたりから不幸が相次いでカペー朝は終わってしまうのだけど、それを呪いというのはどうなんだろう。毒殺とかが噂されてもおかしくないと思うのだけど…?最後が駆け足の説明になっているけど、そこら辺が気になる。
- 同時期の歴史で他に詳細が気になるのは、キリスト教と十字軍、神聖ローマ、イスラムの在り方。その後の歴史では特にイングランドとイタリアとの関係が気になる。
- 以前勉強した内容(世界史の資料集に載っていること)と細かい所で食い違っている点があるのだが、これはどちらが正しいのだろうな。
- 昔の公会議や三部会議のオーガナイザーはどのように組織していたんだろう。
- 昔の政治に絡む破門は、非常にいきあたりばったり感がある気がする。破門しまくってるから教皇が強いというのに違和感を抱き始めた。カノッサの屈辱と、インノケンティウス3世によるジョンの破門は象徴的だけど、勢威を高めたと言ってもそれは自称に過ぎないのだよな。
- キリスト教絡みだと、十字軍が失敗しまくっていることが妙に思えていたけど、フランスやその他の国とローマ教皇の当時の状況を考えるととても自然な気がして来た。