非属の才能

非属の才能 (光文社新書)

非属の才能 (光文社新書)

「非属の才能」を読んだ。最初のちょっとの部分は、変な人に対する慰め以上のものには思えなかったが、全体として見ると非常に良い本に思えた。各所で空気を読んじゃってる人達には是非、また自分に変な所があると思う人にも是非読んで欲しいと思える本。多数になびいて衆愚にならず、変だと言われても自分を道を突き進むことの大事さや、変であることに酔ってしまい協調を忘れて卑屈になることのどうしようもなさが書かれている。

  • 扉に書いてある5つの項目*1にはとりあえず共感。
  • ただ、「いかに"良い群れ"に属すか」を笑い飛ばすにしては自分は十分に良い群れに属しちゃってるんだろうなと思う。でも、「変な割には安牌持ってますね」と言われて安牌を切るのはそれもまた嫌である。
  • 精神論や意味が無いように見える努力を「みんながしているからやっている」といって斬り捨てるのはどうかと思う。まぁ、多分想定しているのは合理性のかけらもないような精神論なんだろうけど。
  • 肝心な所、方針やモチベーションの所で怠け者にならないように。
  • 逆張りとかひねくれた行動は好きだ。一昨日のビアパーティのクイズ大会はそれで負けたけど。
  • 大渋滞する王道。なぞるための成功体験がすでにある分野は不適当なほどに競争率が高い。
  • 「3人寄れば場の空気で」というのは秀逸だ。文殊も空気を読んでしまうのかしら。
  • 「新しいことにチャレンジすれば、結果は必ず"失敗"である」が、「『興味ない』を禁句にして手当たり次第に興味をもって新しいチャレンジをする」…かくありたいものだ。ただ、手当たり次第に興味を持つといっても、ミーハーとは違う。流行は一つの群れということだろう。
  • 好きでは無い…というか嫌いな言葉:ですよねー、興味ない、意味わかんねぇ。
  • のっぽさんってダンサーだったのか…。知らなかった。
  • 「独創性は孤立が作る」:テレビは見るな、モンスターだ、という意見には概ね同意。それでも、HDDレコーダーを最近買ってしまった身としては、「面白い番組は少数ながらある」と言わないと。結局、多くの人が絡むのものに使われたり操られたりするなということだと思う。インプットから妄想を広げるのが好きな身としては、ちょっとこの章の意見は極端すぎる気がするな。まぁ、人に伝えようとする場合は極端に伝えるぐらいが丁度いいのかもしれない。
  • 漠然とした「みんなの意見」ほど当てにならないものはない。それがその人の個人の意見である保証なんてないし。
  • 同調しないのはいいが、協調もしないような人間は、猫くらいしか話相手がいなくなってしまう。気をつけないと。猫は逃げるしなぁ。
  • 「メジャーだからだめ病」:これは良く見る気がするが、どうしてだめだと思うのかはよく分からない。メジャーでも良ければ良いのに。
  • 「あなたの話は相手を喜ばせるものですか?」という質問が、この本の中で僕にとって一番実用的でクリティカルなコメント。

面白かったんだけど、どうしてこの本を書くつもりになったんだろう?

*1:空気が読めないと言われたことがある、まわりから浮いている、こんな世の中おかしいと思っている、本当は行列なんか並びたく無い、のけ者になったことのある、の5項目。