理想論

理想論ってどんな意味かちょっと分からないので辞書を引いてみた。
「理想に進み過ぎ、現実からかけ離れていて実現できそうにない論。(広辞苑)」
ぼんやりと思っていたのとなんか違う。
「あり得る全ての可能性(でかつ認識できる全ての可能性)のうち、常に最良のものを選ぼうとする論。」
なら理想論大好きだけど。
1:現実を無視して理想ばかり言う…という意味での理想は好きではない。現実に起きることが起きる。それが起きるべくして起きるかどうかなんてのは、それを「起きるべく」と思うかどうかだから判定する意味が無い*1。可能性がどんなに小さいとしてもノンゼロ*2ならその可能性を追求するというスタンスとしての理想を振りかざすのは大好きだ。
2:最良に向かって突き進み、最良が起きるかどうかの判定をして、その判定が外れれば次の最良を探す…というのでは各時点で起き得るイベントの数が2つしかないor1つかそれ以外という認識しかしていない。最良を選ぼうとする点では上に挙げた意味での理想論と同じだが、各時点での起き得るイベントの占める*3広さはとても狭い。何か狭いのはよろしくない。行き当たりばったりなのと同型が取れそうだ。常に起きうるイベントの数*4ないしは占める広さは最大限にしようとした上で、自分が一番好ましいと思うようなものが起きやすくなるような分配関数のようなものを探していくのが良いと思う。

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3:理想を現実の反対だと思うのなら、理想は理想であるが故に決して現実では実現しない。現実の反対としての理想を現実の人が話すのならそれ自体がナンセンス。しかし理想を現実の可能性の最良のものとするのなら、滅茶苦茶小さい可能性ではあるかもしれないけれど実現するかもしれない。それは現実に起き得ることではあるが、現実的には起こらない…という位の確率だったらまだ希望を持てる。
奇跡は起きるからこそ奇跡だと思うんだけど、理想も起き得るからこその理想だと思う。そしてその理想はよく多くのイベントの中での最良であって欲しい。だから狭いのはよろしくない。

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4:理想はイベントの集合(それぞれにノンゼロの実現可能性が付随)の最良のものであると定義(1)。定義内に出てくるイベント数は大きければ大きいほど、最良のものは実現されにくくなると思われるが、その分だけその良さは向上すると期待(3)。この期待があるから理想を定義する際のイベントの集合の大きさは大きいほど良いと言うのを指針として要請。この指針の元では、何か選択をする際にはより多くのものを想定すべきである(2)。
理想が現実とは逆の意味での理想になってしまうのは、集合内での最良のものの実現可能性がゼロの場合。ないしはそのイベントを認識する人がその可能性をゼロだとしか思えない場合。

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BGM : Fed up(中島美嘉

*1:起きるべきだと思う基礎としての何かを持つことは良いけど。

*2:測度とか持ち出しての突っ込みは却下。

*3:WとかS=klogWのようなものを想定しているので、位相空間上…なんでしょうか。

*4:エントロピーのようなものを想定するなら、各時点でのエントロピーは定義できないんじゃない?という突っ込みはあり得るけど、見逃してもらう。