社会で期待される物理系博士人材

丁度帰り道の途中に「社会で期待される物理系博士人材」というシンポジウムがあったので聴いてみた。andyも来ていたので休み時間に意見交換。シンポジウムの内容をまとめると、「企業と大学の間における大きな問題は二つ。優秀な博士号取得者は今でもどこでも求められているが問題はポスドクの質の分布が広がってしまっているため、酷いのをつもった企業が痛い目を見た結果として博士号取得者全体が過小評価されているという問題と、企業側が博士号取得者に求めるものを勘違いしているという問題がある。前者はマンパワー確保のために研究室側が人を集めたいだけ集めて*1データ取り*2をさせているケースが増えているため、研究を通して成長することができないまま博士号をとってしまった人が増えていることが理由。後者における勘違いとは専門性の過剰な期待を指す。博士号を持っているからといって専門性を期待されるわけではなく、むしろ一般的な問題解決の能力が求められている。」のようになるかな。
シンポジウム後に待ちに待った懇親会(無料)*3に参加。パネルディスカッションのパネリストを捕まえて話をした。計3人ほど。「インターンなんて時間の無駄*4。むしろインターンをすべきなのは教授とか助教とかではないのか。」という意見には驚いたが少し納得。企業のことを全く知らずに的外れなことを言う*5ような人もいるらしいので、言われれば、確かに。もっと時間があれば良かったのだけど、時間が短かかったので仕様がない。
一人暮らしの家に帰宅。溜まっていたRSSの消化。

*1:この際に『やりたい研究をいつまででも出来る』ような誤解を刷り込む教授もいるらしく、それは非常によろしくない。

*2:研究ではなく。

*3:この(食事の)ために参加しようと決心したといっても過言ではない(笑)。結果的には良い話を聴けたとは思うが。

*4:半年以上もかけて、企業に入れば一ヶ月で分かることしか得られないという意味で

*5:少なくとも、「外」の現状も知らずに博士課程に進め進めと甘い言葉しか言わないような人や、自分は何も知らないからと無責任な選択をするような人は良く無い。アカデミックポストだろうが社会人なわけで、きちんとした意見を言えないのはどうかと。ちなみに僕はボスに「博士課程に行こうと思っているのだとしても、じっくりと迷い通してから進むかどうか決めなさい」と言われた。良かったと思う。