投影

投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待 マイケル・タルボット (著) 
投影された宇宙をぱらぱらと眺めた。途中までは普通に読んでいたんだけれど、途中からトンデモ臭に耐えきれなくなり、ぱらぱらと流すことに。「この世界は何かが投影されたもので、波が干渉しあってできる模様が現実に対応している。」という仮説を導入したくなる気持ちは分かるし、量子力学の解釈問題とかでホログラフィック理論と繋がるような所もあるのは分かる。でも、やはり現段階ではトンデモ臭がぷんぷんとすることには変わりがない。観測対象に観測者をも含め、その意識もが重要になってくるというのはある意味筋が通っているのだけれども。脳がどのように機能しているかなんて良く分かっていないし、意識がどのようなものかっていうのも良く分かっていない。その良く分かっていないものを理論に付け加えても、まだ理論としてきちんと機能するかというと…。有る仮説を用いて未だきちんとした説明がなされていないことに説明をつけようとすることには評価できるけれども。ただ、この本を眺めた限りでは、分からないものを全てホログラフィックという言葉に押し付けているだけな気がする。やっぱ理論を作るのならそこから何かを予言して実験をしてみないと、科学的なスタンスにはそぐわない。
まぁ、超紐理論も似たり寄ったりじゃないか、なんて声も聞こえてきそうだが。

投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待

投影された宇宙―ホログラフィック・ユニヴァースへの招待